この記事では、実際に僕が体験した、大学3年時の「教育実習」で学んだことを詳しくまとめています。
こんな人に読んでほしい
・教育実習に行きたくない、つらいと思っている人
・「教育実習って何?」とそもそも何するかわからない人
・教師という職業に向いているのはどういう人かを知りたい人
*守秘義務があるので掻い摘んでお話しします!
そもそも教育実習って何?

「そもそも教育実習って何ぞや?」
という人はここから読み始めていただければと思います。
教育実習とは、ざっくりいうと
学校の先生になるための「必須科目」です。
ですが実際に学校へ行くと「大学生」というステータスでは見られません。
実際に働く「教員」として扱われます。

振り返ると、小学校や中学校で教育実習生の授業を受けたことがありますが、皆本当の先生のように立派な授業をしていましたね。場合によっては普段授業を受けている教員より授業がうまいっ実習生とかもいたりして「ずっとこの人がうちの学校の授業うけもってくれればいいのに」と思ったことも…。
3週間という短い期間ですが、その中で教師として必要な知識や技能、態度や心構えなどを習得するために全身全霊をかけて臨む必要があります。
その分、準備も相当の時間を要します。
実習前の準備

僕の実習は大学3年生の9月から始まったのですが
実習に行くためのオリエンテーションは大学2年の6月にありました。時期にして実習に赴く1年以上前ですね。
それほど教育実習というのは、大事な実習なのだということを実感しました。
そして実際に配属先の学校が決まったのが実習に赴く半年前ぐらいだったかな。
高校の勤務になりました。
大学の授業が7月いっぱいで終わり、夏休みに入ります。
9月の実習まで約1ヶ月。
夏休みはほとんどを指導案の作成に費やしました。

指導案とは、授業をどのように進めていくかを詳細に記載した計画書のようなものです。
何回の授業で、どのような学習形態で、どのような目標を立てて授業をするか。
それらを踏まえてどのような順序や方法で指導するか、授業後どのように生徒を評価するかといった、授業に関するすべてを記載します。
指導案をメールで提出して、指導教員のダメ出しを食らって、また直して…の繰り返し。
中々骨の折れる作業です、。
教育実習中の1日のスケジュール
教育実習中の1日のスケジュールの参考として、僕が体験したものを以下の記事にまとめております。
合わせてご覧いただければ嬉しいです!
教育実習で学んだこと
授業は意外と綿密に計画されてできている
小学生、中学生、高校生の頃は何気なく受けていた普段の授業ですが
その授業の裏側で先生はとんでもない努力をしていたのだと知りました。
実際に1つの授業(僕が今回体験したのは1回50分の授業)を作り上げるのに指導案に書いた内容は大きく分けてこんな感じ。
- 当日取り扱う授業のテーマ
- 使用する教材
- 学習者について
- 指導について
- 単元目標
- 授業毎の目標
- 指導上の工夫点
- 指導の過程(授業当日のスケジュールを1分単位で記載)
学校や指導教員によって異なるとは思いますが、僕の指導案はこのような構成でした。
こんなにも準備をしなければいけないんです。
熟練の先生はある程度授業の内容も話す内容も話術も長けているので、毎年指導案を大きく作り直すということはないかもしれませんが、新任の先生は1から作ると思うので、本当に大変だ…と実感。
指導案の作成プラス、部活動や職員会議、事務作業等々を考慮すると激務って言葉じゃ足りない。
最近の学校は、部活動を外部の指導員に任せる所が増えてきたり、校務の情報化が進んでいて、昔よりだいぶ楽になっているかもしれませんが…。
まだまだ改善されるべきところはたくさんあるのではないかと思います。
細かい指導技術
授業を終えた後、指導教員の先生が授業を振り返ってアドバイスをしてくださるのですが、その指摘が非常に細かいところまで及んでいて本当に驚きました。一例ですが
- 「たぶん」「~と思います」という、曖昧な言葉を使わない。
- 先生が連続でしゃべって説明する時間はなるべく作らない。どうしても出てきてしまう場合は途中で「説明が長くなって眠くなってしまうと思うけど…」だったり、「あとこのくらいで実際に手を動かすフェーズに入るよ」等の授業の進行目安を伝えてあげる。
- 生徒が寝てしまうのは先生のせい。怒らない。
- 黒板の前での立ち方によって生徒の授業に対するやる気も左右する(指導教員曰く)
などなど。
このような指摘から、先生の一挙一動やふとした一言で、授業の質が左右するんだということを身にしみて感じました。
先生はやっぱりブラック…?

ブラックです。
少なくとも僕が教育実習に行った高校はブラックでした。
朝早い出勤。サービス残業。
学習塾であれば学力を育てることに特化していますが、学校教育というのは
他の生徒との関係性や教師という身近な大人との関係性等の「社会的能力」を育てる場所
だと思っています。いわゆる「コミュ力」ですね。

これは学校という場で養われるべき注目ポイントです。個人的には学力よりも大事だと思う。
コミュ力を育てるということは、生徒との関係性、また生徒間の人間関係にも踏み込む必要があります。
人間関係について考えるのは誰しも負担だと思ったことはあるでしょう。
それを大人数の子供を相手にしてやらねばいけないのですから…。
教員という職に就く人はやはり精神的にも負担がかかりますよね。メンタル強くないとやってけない。
加えて教師は、親以外で一番最初に出会う「働いている大人」です。
役割も「勉強を教える」ことだけでなく、「働くということ」を見せる責任も負っているんですよね。大変だ。
…勢いでめちゃくちゃネガキャンしてしまいました。
好きなことで、生きていく?


どうしてこんなつらい仕事を続けていられるんですか?
教育実習最終日、失礼ながら指導教員の先生に僕が聞いた言葉です(笑)
その解答が

高校生が、子どもが、本当に好きなんだよね
でした。
上述したように、教師は本当にブラックです。
ネガキャンでも何でもなく、事実だと思います。
実際に教育実習生として3週間経験しただけでもつらいのに、実際の授業運営から、職員会議や資料作成、家にいる時もほぼ常に学校のことを考えなくてはならない教師という仕事は「心の底から本当に好き」でないと絶対にできません。
逆にそんなに好きな仕事に出会えた事を幸せに思うと、指導教員の方はおっしゃっていました。
生半可な覚悟では「教師」という仕事は務まらないのだということ、そして少しでも教師という仕事に嫌悪感を抱いてしまう、少しでも迷いのある僕には「教師」は向いていないということを悟りました。

逆に教育実習を経験して「教師になりたい」と思える人は絶対なったほうがいいです。
天職だと思いますよ。
ですが「この仕事が好きだ。自分にはこれしかない」という仕事に出会うことは容易ではありません。むしろ困難です。
今社会人として働いている人も本当に自分の仕事を好きでやっている人は中々少ないと思います。
そんな人に向けて、一つ僕からアドバイス。自戒の念もこもっています。
まず、やってみる。
その後、自分がつく仕事を以下の3つのうちどれに当てはまるかを考える
①「好き、ずっとやり続けたい」
②「そこまで好きとは言えないけど、嫌じゃないから継続していけそう」
③「絶対途中で投げ出したくなる。嫌。」
→①、②の範囲で仕事を選ぶ。
仕事に限らずですが、何か「物事を始めたり継続していきたい」と思った時、この尺度で見ると結構続きます。
まずやってみる。
その後、続けられるか?で判断し、ちょっと続けてみて「好きだな」「今後もやってもいいかな」という気持ちに持っていければGOODです。
嫌だなと感じたら辞めればいいんです。
繰り返していくうちに、自分の本当にやりたいこと、仕事でいう「天職」が見つかるかもしれません。
行きたくないと悩んでいる人。
僕もそうでした。行きたくありませんでした。
実際に経験した先輩方から辛さは聞いていたし、インターネットで調べても鬱な体験記しか無いし。
ですが、指導技術等のスキル面から、仕事に対する考え方、メンタル面等々、自分自身の様々なステータスの成長につながったと心から言えます。
悩んでいるのであれば、まずやってみましょう。長いようで短い3週間です。何とかなります。
そこで出会った先生や生徒とは今後一生会わないから(たぶん)、吹っ切れてやっちゃいましょう。
実際に実習を終えてみて、上記の①、②に当てはまれば儲けものです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
この記事が
・教育実習に行きたくない、つらいと思っている人
・「教育実習って何?」とそもそも何するかわからない人
・教師という職業に向いているのはどういう人かを知りたい人
以上の人の役に立てば嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
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